11月に入ると創業時から受継がれた風情が、蔵人と共に行われています。温度や湿度など毎年まったく違う条件の中で、時には肌で、時には指先で感じながら、私たちの思いをいかに酒に表現するか、昼夜を問わずもろみと語る日々が続きます。
その中でも大吟醸の米研ぎは、一秒一秒の時間の中で杜氏のかけ声で始まり、そして杜氏のかけ声で終わります。張りつめた時間の中、心まで清められる思いがします。ほんとうに小さな米のひと粒ひと粒に、いい酒になってくれと語らずにはいられません。
日本酒は仕込みが終わりますと、そこから十度という新たな、そしてとても大切な時間が始まります。
酒樽の中で醗酵が始まり、十度という醗酵温度まで、寒ければ着物を着せて、暑ければ薄着にさせるなど、その行程で酒の味がきまります。
蔵人と共に精魂込めて造るお酒だからこそ、この十度の物語りを我が人生の一つでもあると思っております。

 四代目仙之丞 


大吟醸出品酒・池錦「命」



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